Pave the Way

自分らしくキャリア選択をするための情報をゆるっと発信していきます

エージェント面談であるあるな相談を元に物語形式でキャリアの考え方を発信しています
こんな考え方もあるんだな、と参考程度に楽しんで読んでもらえたら嬉しいです
初めて読む方は はじめにを読んでください


伸びている業界に入社した先のキャリア①


やりたいことがない場合、「伸びている業界に行け」とのことだったが、
どんな業界に行ったらどんなキャリアが開けるのかいまいちわからないれいちゃん。
たいら先輩に聞いたら、自分で調べなさい、とのことで週1の宿題を課せられることになった。
調べ物に時間がかかるれいちゃんはなんとか調べて、簡単なレポートをまとめることにした。


れいちゃん'sレポート
インターネット(WEBサービス)業界
業界規模:3兆3000万強
業界大手企業:楽天、ヤフー、サイバーエージェント、アマゾン、Googleなど

IT業界との違いは…
・サービスの提供先の顧客にtoC(一般消費者)が含まれるか
・WEB上でサービス利用できるか
の2点。
IT業界と混合されがちだが、
両業界は営業スタイルが異なるため、身につくスキルが異なることが多い。


最近のトレンド
SNSマーケティング(インスタ、Twitterインフルエンサーなど)
・FINTECH関連(Airpay、Paypay、メルペイ、LINE payなど)
・EC関連(楽天、アマゾン、アリババなど)
サブスクリプションビジネス(アマゾン、Hulu、dマガジン、Spotifyなど)


業界特徴
・業界自体が新しいので他業界よりも転職は当たり前、転職してスキルアップしていく人が多い
 (WEB自体が商用化されてから30年ほどなので定年まで1社で勤めるという概念が希薄)
・転職時は他業界よりも転職回数を気にしない傾向にある
 20代半ばまでの若手はポテンシャルで書類が通りやすい一方、
 20代後半は該当ポジションで業務遂行可能なスキル・経験があるかを厳しく見極める傾向にある
・技術革新が早いため、朝令暮改のように業務戦略がガラッと変わることがある
実力主義の企業が多いため、若くしてマネジメント、新規事業立ち上げに携わる機会を得やすい
・裁量は広い
・残業は企業によりけり。裁量持ってフレキシブルに対応できる環境があることが多い
・サービスによっては差別化が難しいサービスも多く、その場合は提案力、人間力が身につく


中長期的なキャリアとして
・同業他社で大手企業に進む(条件面、業務の規模の改善が可能)
 他業界よりも市場ニーズがあるが人手不足な部分があるので大手へのキャリアアップが比較的容易
・独立して起業
 若いうちから新規事業に携わることができる環境もあるので、自ら起業する人も多い
フリーランス
 企業によって(WEBマーケティング系の会社など)は専門知識が身につくので
 フリーランスになってプロジェクト毎に仕事する人も多い
・事業会社のマーケティング部門
 WEBマーケだけの経験だと行ける範囲は限られるので、
 幅広く経験(オフラインマーケやデジタルマーケなど)を積み30歳前後でキャリアチェンジする方も多い。
 ただし、最近はSNSマーケやEC管理ポジションであれば
 そのスペシャリストとしての採用があるので若手のうちからチャレンジしやすい


今後時間があったら調べたい気になるポイント
・データ分析が盛んな最近、純データの抱える量によって企業の趨勢は変わるのか
・市場が鈍化し出した時に勝ち残る企業はどういう企業なのか

やりたいことがない人のキャリア戦略②

ポイント:苦なくできることを基準に選ぶ


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「おはようございますーたいら先輩―…」
「おはよう。朝から悲痛な声…どうしたの?」

たいら先輩が出社するとれいちゃんは暗い声でたいら先輩に早々に声掛けた。
聞いてくださいよー、と悲しそうなれいちゃん。
たいら先輩は自席の引き出しからノートパソコンを取り出しながられいちゃんの方を向いてた。

れいちゃんの話はこうだ。
前回れいちゃんがたいら先輩に相談していたやりたいことがない人に
“伸びている業界を選ぶこと”の話をしたが、ピンとこなかったらしい。
そのためいまだに応募企業の軸が定まらず、
なんとなく気になった企業を2,3つ受けては面接でなぜ深く質問された時に答えられず、
落ちることを繰り返していて転職活動が滞っているとのこと。
何かしら打開策を打ちたいものも頭をどれだけ捻っても思いつかず、
朝かられいちゃんはたいら先輩に泣きついた。

「やりたいことなくて、伸びている業界もピンとこない場合、どうしたらいいんですかね?」

たいら先輩はノートパソコンを起動させながら、
「人によっては伸びている業界を選ぶと大きくキャリアチェンジすることになりかねないこともあって、
 決心がつかなかったり、業務イメージが湧かない場合はその選択をしないことは多々あるのよね」
彼はそのタイプなのかもねーと独り言のように呟きながら言葉を続ける。


「その場合は自分が苦なくできることを基準に仕事選びをするっていう
 アドバイスをするといいんじゃないかな」


「苦なくできること…? ただ単にできることじゃなくて?」
「そう、“苦なく”という点がポイント。
 ただできるだけの軸だとモチベーションが長続きしなくなる可能性が高いから。
 だから意識しなくてもできちゃうようなことを意識的に選んでキャリア選択するのがいいと思うわ」

れいちゃんはうーん、と少し悩んで、
「例えば、私は法人営業時代はプレゼン資料の作成がわかりやすいって
 褒められること多くてできることだったけど、
 作るのに悪戦苦闘していて辛かったから
 そういう業務比重が大きい仕事は選ばないってこと、ですかね?」
「そうそう、そんな感じ」
「で、逆にお客さんと話をするのはすごく好きだし、それだけなら何時間でも話せちゃう。
 だからお客さんとの折衝がある仕事を選ぶ、ってことですかね?」

大正解、とでも言わんばかりの笑みを浮かべてたいら先輩は頷いた。
「大雑把に理解するとそんな感じね。
 れいちゃんの場合はお客さんと折衝メインなら営業か販売軸で、
 その中で何の商材だったら興味持ってお客さんにおすすめできるかな?とか
 新規と既存の営業スタイルどっちの方が苦なくやれるかなって徐々に絞っていくといいと思うわ」
なるほどなーとれいちゃんは納得する。
たいら先輩はパソコンにパスワードを打ち込みながら続ける。
「特にやりたいことない人はきるからって理由でそのキャリアを選ぶこともあるけど、
 続ければ続けるほどその延長上のキャリアしか選べなくなりがちなの。
 だから30歳過ぎてから実は長年やっていたけど苦痛でしたって
 大きなキャリアチェンジを望む人も多いのよね。
 そうならないように色々選べる若いうちに安易に選択するのはおすすめしないの」
30歳以降で生半可な気持ちでのキャリアチェンジはおすすめできないからね、と。

「だから苦なくできることを選ぶ…」

れいちゃんは自分の胸に刻むように言葉を落とした。
たいら先輩は大丈夫?とれいちゃんに言葉を投げかけ、れいちゃんが大きく頷いたのを見て、
前日の夜に届いていた大量のメールや応募履歴を確認、対応すべく自分のパソコンに向き直った。

やりたいことがない人のキャリア戦略①

ポイント:伸びている業界を選ぶ

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「たいら先輩、たいら先輩ーー!」
「何?どうしたの?」

ここはとある人材エージェント。
ここで新卒で入社して一生懸命働くれいちゃんが法人営業(RA)からキャリアアドバイザー(CA)に配属されたのは1ヶ月前。
もともと人の役に立ちたい、と思ってエージェントに入社したれいちゃんなので、
キャリアアドバイザー業務は持ち前の明るさを駆使しながら非常にやりがいを持って取り組んでいる。
だけれど、まだまだ社会人歴が浅く相談者の悩みに上手く答えられないことも多い日々。
そのためれいちゃんは悩んだらすぐに自身の教育係であるたいら先輩に相談する。
日常になりつつあるその光景を周囲は微笑ましく見守っている。


「さっきの面談で面談者の人と一緒にぐるぐる悩んじゃって…」
面談から戻ってきたれいちゃんは隣の席のたいら先輩に声を掛ける。
たいら先輩はパソコン画面から目を離して、れいちゃんの方を向き、
「…どんな面談だったの?」
と問いた。
れいちゃんは眉間に皺を寄せ小難しい顔をして、話し始めた。

「私と同じ社会人2年目だったんですけど、
 とにかく今の仕事がつまらないしやりたくなくて転職したくて来てくれたんですよね。
 ただ、じゃあ転職先では何やりたいですかね?って話をしていたんですが何も出てこなくて。
 やりがいってなんだろう、やりたいことってなんだろうって一緒にぐるぐる悩んじゃって…」
たいら先輩はそっかーと相槌を打ちながら、
「その人、なんで新卒の時にその会社に入社したの?」
と聞く。れいちゃんは目線を少し泳がせて記憶を遡る。
「んーと…就活はとりあえず有名大手どころから受けて、最初に内定出たところで決めたって言ってました。
 特にこれがしたい、とかなかったらしいんですよね」
「なるほど…」
「新卒就活失敗だったーって。もっとちゃんと考えればよかったーって。
 今の仕事やりたくないし、このままこの会社にいてもスキル身についているのかわからなくて不安だし、って。
 でもじゃあなにしたらいいかって言われるとやりたいことないーって」
「その状況だと、今の会社に残るって選択肢はなさそうね」
「そうなんですよー」
と、れいちゃんは深く頷く。


仕事内容が好きじゃない。
キャリアとしての先も見えない。
特に今の仕事にやりがいも感じていない。
そんな状態で消極的な選択で現職残り続けてもプラス要素は何もない。

だから、絶対転職はした方がいいのだけど、
肝心の何がしたいかがない。


いろんな選択肢の提示はできるけど、
何がおすすめのキャリアになるのかわからず
れいちゃんは面談者とぐるぐる悩んでしまった。

れいちゃんの話を一通り聞いたたいら先輩は、



「そういう場合は、やりたいことを軸に仕事選びしなくていいのよ」



と、ポツリ。れいちゃんはへ…?と変な顔をして首を傾げる。

やりたいことなんてあったほうがいいし
それを元に仕事決めた方がやりがいにもなるし
なくていいなんてどういうことだろう…
と、たいら先輩の発言の意図がれいちゃんはわからなかった。


「やりたいことが今の時点でないならないでいいの。
 ないのに無理に作ってそれを軸として仕事選びしても
 本当にやりたいことじゃないから志望理由が話せなくて転職活動難航することもあるし、
 仮に入社できてもまたすぐにやりたいことと違うって言って長続きしないことが多いの」


「そしたらどうやって選べば…?」
れいちゃんは混乱してきた頭をフル回転してたいら先輩に尋ねる。
そうねー、とたいら先輩は一息ついて答える。

「いくつか考え方はあるけど、
 そのケースの場合、私がおすすめする考え方としては“伸びている業界を選ぶこと”」
「伸びている業界?」
「そう、伸びている業界。今だとITとか医療とか人材とかね。
 やりたいことがなくてまだ若い場合はまずは自分のできることを増やすことにフォーカスを当てるの。
 できることが増えた段階で改めてやりたいこと考えればいいのよ。

 5年、10年で社会が目まぐるしく変化する現代で
 人生100年時代と言われているような時代に
 20代前半で一生かけてやりたいことを今、決めなくていいのよ


たいら先輩が言葉を続ける。
「現時点でやりたいことがない人にとって重要なのはやりたいことに巡り会えた時にそこにリーチできるだけの経験を積んでおくこと。
 その中でも伸びている業界での経験を積むことはやりたいことにリーチできる選択肢が広がるの。
 なぜなら伸びている業界の経験は今後市場から求められるスキルが身につきやすいから」

例えば、と口元に手を当てて、

「弊社みたいな人材業界も伸びている業界よね。
 エージェントでの営業をしていると採用関連の知見が身につくでしょ。
 社会変化としては終身雇用が崩壊したのをきっかけに採用のニーズが非常に増えた。
 だから今までは人事の中でも採用専門の人材をおいてなかったところも採用の専門人材を置く必要が出てくる。
 そうなると、人材エージェントの営業経験でいろんな業界の人事へのキャリアチェンジができる…
 みたいな感じで同業他社以外のキャリアチェンジもできる選択肢が出てくるのよ」


だから私はやりたいことないなら伸びている業界に行くことをおすすめしているわ、とたいら先輩は言葉を結んだ。

れいちゃんは自分に今までない視点だったのでそういう考え方もあるのかーと自分なりに一生懸命、咀嚼をしようとする。
そして一定頭の中で内容をまとめて今後面談者にその話をしてみます、ありがとうございます!と少し晴れやかな表情でたいら先輩にお礼を言った。

はじめに

はじめまして、ゆきです。
私はここ数年人材エージェントにて年間約400人弱(年収250〜650万の20〜40代)の話を聞いて、転職支援をするキャリアアドバイザー(CA)をしていました。


私が人材エージェントで働き続けている理由の一つに


働き方やキャリアはより多様化する。
だからこそ自分らしくキャリア選択ができる人が増えてほしい。


というのがあって。

だからこのブログではキャリアや働き方に少し悩んでいる人たちに
こんなキャリアの考え方もあるよ、というのをゆるゆると発信して、
自分らしいキャリア選択を行うための考え方を広げる手助けが僅かながらでもできたらな、と思っています。

エージェント面談あるあるな事例をもとに物語形式で展開していく予定です。
ゆるっと楽しみにしてくれる人がいると嬉しいです。
これからよろしくお願いします。




下は簡単なキャラクター紹介。

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